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米向け黒松盆栽 輸出検討リストに 香川県など要望 農水省、解禁協議へ

2024年6月28日

 香川県などが要望していた米国向けの黒松盆栽の輸出解禁について、農林水産省は27日までに輸出を検討するリストに加えた。米国は病害虫の懸念から黒松盆栽の輸入を認めておらず、今後、農水省は米国と植物検疫の条件について協議し、早期の輸出解禁を目指す。既に黒松盆栽を輸出する欧州連合(EU)向けでは、主力の黒松の輸出解禁で盆栽の出荷数が4倍超に伸びた。欧州同様に愛好家の多い米国への輸出が解禁されればさらなる需要増が見込まれる。

昨年末にフランス・カンヌのホテルカールトンで開かれた松盆栽のプロモーション活動。米国への黒松盆栽の輸出解禁で需要増が見込まれる(資料)

 高松市の鬼無、国分寺地区で生産が盛んな松盆栽の輸出を巡っては、EU向けでは従来の五葉松などに加え、黒松についても病害虫対策を進めた結果、2020年に輸出が解禁。輸出が本格化した23年には神戸植物防疫所坂出支所が検疫した盆栽の出荷数が前年の4・1倍の4097本と大きく伸びた。一方で、米国は植物検疫の条件が厳しく、五葉松以外の松盆栽の輸出は認められていない。

 こうした状況に、県などは米国向けの黒松盆栽の輸出解禁を目指し、1月には池田豊人知事と大西秀人高松市長が農水省に米国との間での黒松盆栽の輸出解禁に関する協議を進めるよう要望していた。

 農水省は、農林水産物や食品の輸出促進のために必要な対応をまとめた実行計画を作成しており、18日付で同計画に米国向けの黒松盆栽の輸出解禁を加えた。

 今後、農水省はこの計画に基づいて米国側と協議に入る。協議では植物検疫の条件を満たすために必要な対策をまとめ、輸出解禁につなげる。EU向けの協議では、協議開始から輸出解禁までに3年かかっている。

 県は本年度、米国が懸念する病害虫の発生調査や防除技術の確立に向けた研究を進めている。県農業生産流通課は「今後の交渉の進展に伴い、農水省に必要なデータの提供などを行い、早期の輸出解禁を目指したい」としている。

キーワード:松盆栽 黒松