BONSAI、世界へPR 県、国際園芸博覧会に出展 海外販路開拓に期待
松盆栽の生産量日本一を誇る香川県が10日から、オランダで10年に1度開かれる国際園芸博覧会に盆栽を出展する。欧州など各国で「BONSAI」の人気は高まっており、現地のバイヤーや愛好家に香川県内の生産者が魅力を直接アピールする。来年4月からは、欧州連合(EU)向けの黒松盆栽の輸出が本格化する予定。国内需要は低迷が続いており、海外販路の開拓で産地の活性化につなげたい考えだ。
1960年に始まった同博覧会は、各国の花きが集まるほか、職人たちが優れた園芸、造園技術を披露する世界有数のイベント。今回の会期は4月14日~10月9日で、日本を含む33カ国が参加。来場者数は200万人に上る見込みで、松盆栽は日本展示館内に今月10日から22日まで出展する。
松盆栽は高松市の国分寺、鬼無両地区が一大産地。生産量は全国シェアの8割を占めるが、国内市場は縮小が続いており、県盆栽生産振興協議会によると、生産者は最盛期の300軒から50軒にまで減少。後継者不足も課題となる中、欧州など海外での盆栽人気の高まりに産地の期待が集まっている。
松盆栽の種類は五葉松や錦松などさまざまで、特に生産量が多いのが黒松。防疫の観点からEUへの輸出ができなかったが、県が研究機関と連携して課題を解消し、20年10月に解禁された。EU側の検疫要求を満たす方法で2年間育てる必要があるため、本格輸出は23年春ごろに始まる。販売の促進には博覧会でのPRが重要になるという。
博覧会には、生産者を代表して県盆栽生産振興協議会の尾路悟会長や、各国で技術指導に当たる盆栽職人の平松浩二さん=いずれも高松市=が参加し、盆栽の手入れや仕立てのデモンストレーションを行う予定。尾路会長は「松の魅力や管理方法を種類ごとに直接伝えられる良い機会。多くの人に気に入ってもらい、今後の輸出に弾みをつけたい」と話している。