繊細、小品盆栽の世界 松平頼寿愛用の道具紹介 県立ミュージアム・来月9日まで
高松松平家12代当主、松平頼寿(よりなが)(1874~1944年)が収集した小品盆栽の道具を紹介する展示会「小さきものたちの世界」が、香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれている。繊細さを感じさせるミニサイズの盆栽鉢などがずらりと並び、頼寿が親しんだ世界の魅力を伝えている。4月9日まで。
小品盆栽は、樹高20センチ以下の盆栽を育て、小さな鉢の中で季節感や風景などを表現する。同ミュージアムによると、頼寿は公職で多忙な中、小品盆栽に多くの時間を割いていた。自宅には約800鉢並び、妻昭子と手入れを楽しんでいたという。香川国風小品盆栽会の初代会長を務めるなどして普及にも力を注いだ。
展示会では道具約150点を紹介。頼寿が特に気に入っていたという明治から戦前の伊万里焼の鉢は、細かな青い模様が美しい。縦と横、高さがそれぞれ3センチにも満たない鉢もある。また、頼寿と道具のコレクションを一緒に撮影した写真からは、その笑顔から頼寿がいかに小品盆栽に魅了されていたかがうかがえる。
盆栽と共に飾る掛け軸や数センチほどの鹿の置物などもあり、来館者の注目を集めている。このほか、妻昭子や、13代当主、頼明(よりひろ)の妻香枝子が収集したひな人形や道具も展示している。
古野徳久副館長は「小品盆栽の道具の面白さを楽しんでほしい。貴重なものなのでぜひ来館して」と話している。
入場料は一般410円ほか。問い合わせは同ミュージアム、電話087(822)0247。