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黒松盆栽、EUへ初出荷 高松 輸出解禁、500本積み込み

2023年1月21日

 松盆栽の生産量が国内トップの高松市で、黒松盆栽が欧州連合(EU)への初出荷を迎えた。黒松はEU向けの輸出が2020年に解禁され、2年余りの管理栽培期間を経て、初の輸出に向けた準備が年明けから本格化。19日に市内生産者がコンテナ車へ黒松盆栽など約500本を積み込み、神戸港に搬送した。23日に同港を出て、3月中にスペインへ到着する予定。

EUへの輸出用に黒松盆栽の積み込み作業を行う生産者=高松市鬼無町、鬼無植木盆栽センター

 松盆栽は高松市の鬼無、国分寺地区が全国の生産量の約8割を占めている。盆栽の愛好家が多いEUへの輸出はこれまで、五葉松や錦松、シンパクが主流だった。生産者の多くが栽培している黒松は、病害虫の懸念から輸出できなかったが、県などが対策を進めて20年10月に解禁となった。

 輸出解禁後、EUの検疫基準を満たした2年間の管理栽培が1月までに終了。初輸出となる黒松は、高松盆栽輸出振興会(尾路悟会長)に所属する生産者9軒が栽培した約220本で、スペインとオランダのバイヤーが事前に買い付けていた。高さ50センチ前後で、国内販売価格が1万~2万円程度が中心という。

 19日には同市内で、同振興会のメンバーが五葉松やシンパクを含めた約500本の積み込みを実施。小型商品を詰めた段ボール箱や高さ2メートル超の黒松などを慎重にコンテナ内に運び入れた。神戸港から室温5度の冷蔵船で運び、スペイン到着後は陸路でオランダにも輸送。現地で3カ月間、検査用に隔離栽培した上で販売される。

 同振興会によると、EUへの黒松出荷に伴い、海外輸出の全体量は前年の約1・5倍に増える見通し。尾路会長は「黒松の初出荷を迎えられてうれしい。盆栽農家は減少しているが、今後は欧州からの高い需要に応えられる量を確保できるよう、生産体制を強めていきたい」としている。

キーワード:黒松盆栽