「杜松」紫泥楕円鉢
樹齢:約230年 樹高:72センチ
杜松

山地に自生するヒノキ科の常緑小高木で、ネズ、ネズミサシの名もある。香川県には地域によって「モロダ」「モドラ」などと呼ばれる木がある。葉性はやや違うが、同じ仲間だ。
葉は硬くて針のようにとがり触れると痛い。成長すると複雑な幹模様を描く。幹はほとんどが舎利(しゃり)で、わずかに残る生の幹やすべてジンのような枝が絡み合う野性味あふれる姿が特徴的である。
日本各地に産地がある。寒い地方の山野では雪や強い風で絶妙な樹形が形成される。東美濃産とみられるこの木も、自然体を大切にした樹形から大木の貫禄(かんろく)が伝わってくる。
第75回国風盆栽展にも出品されたが、小ぶりの鉢に詰まった2世紀以上に及ぶ時代が絶賛された。