ASPAC開幕直前 銘樹と書のコラボが話題
アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC高松)がいよいよ18日に開幕する。盆栽界では質量ともに世界最大ともいえる大会で、同実行委員会(小西幸彦委員長)は、21日までの会期中、国内外から約3万人の来場を見込んでいる。大会では、日本を代表する銘樹とダウン症の女流書家金沢翔子さんのコラボレーションが話題になっている。
銘を揮ごう
大会でデモンストレーターを務める長野県の井浦貴史さん(勝樹園)は、シンパクの銘樹「風神」を出展する。舎利の存在感が圧倒的で、天空をかける風をつかさどる神をイメージさせる雄々しい姿である。その銘「風神」を翔子さんが揮ごう、銘樹と書が互いを引き立てながら、鑑賞者を魅了することだろう。
井浦さんは34歳の若さながら、これまで日本盆栽作風展で日本盆栽協会賞など多数の受賞歴があり、今年の同展でも環境大臣賞に輝いた気鋭である。
翔子さんは、「風神」のほか、黒松「大王」、シンパク「舞鶴」、五葉松「旭光大和」にも揮ごうする。これらの作品は、サンポートホール高松第2小ホールに期間中展示される。
書き下ろしも
翔子さんの母金沢泰子さんは20日午後2時から、サンポートホール高松大ホールで「ダウン症の娘と生きて」と題して講演。席上、翔子さんが「龍翔鳳舞」の字を揮ごうして披露する。
翔子さんが東日本大震災の被災地の復興を願って書き下ろした「希望」「共に生きる」も大ホールなどに展示。銘樹と書のコラボ展、講演や席上揮ごうは、1日鑑賞券(大人1000円、小人500円)で鑑賞できる。
翔子さんはASPAC高松のために、美しい瀬戸内海をイメージしたオリジナル作品「福壽海無量」も寄せ、会期中同ホール棟7階の屋上広場に展示する。こちらは無料で鑑賞できる。
(ライター・羽野茂雄)