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盆栽主義

鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

ASPACの実演者 重鎮から若手まで勢ぞろい

2011年10月24日

 アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC)が11月18日から21日まで開催される。世界最大級の盆栽のイベントとあって、日本を代表する盆栽作家たちが顔をそろえ、自慢の技を世界の愛好家に披露する。

双璧の技に注目

 社団法人日本盆栽協会理事の木村正彦さん(70)は18日午後、シンパクの改作を披露する。文化庁長官賞や文化功労賞を受けた現代の名工でもある。繊細な技術を世界に広めた功労者で、自然の趣を生かす改作の発想が素晴らしい。同協会理事長の竹山浩さん(69)は19日午前、雑木の寄せ植えを実演。日本盆栽作風展の組織委員長賞を受賞。雑木の第一人者で、日常管理の仕上げ方に定評がある。

木村正彦さんが手掛けた赤松
木村正彦さんが手掛けた赤松。ASPACのポスターにも使用されている

 広瀬幸男さん(62)は19日午前、小品盆栽の魅力を伝える。作風展で組織委員長賞を2回受賞。鈴木亨さん(55)は19日午後、黒松を改作する。作風展で総理大臣賞1回、文部大臣賞3回の重鎮だ。

意気込む気鋭

 若手作家も登場。日本皐月(さつき)協会理事の礒部繁男さん(43)は19日午後、サツキの手入れを披露する。皐樹展で皐月大賞の受賞歴がある。

 大町功さん(38)と井浦貴史さん(34)は一緒に20日午前、シンパクの改作を見せる。大町さんは作風展で総理大臣賞、井浦さんは日本盆栽協会賞に輝いた。岩手県山田町在住の大町さんは、東日本大震災で壊滅的な被害を受けたが、今回を新スタートと意気込む。佐々木雅裕さん(43)は20日午後、小品盆栽を見せる。高松市国分寺町の平松春松園で修業、作風展で組織委員長賞を受けた気鋭だ。

 これほどの作家が一堂に会するのはASPACならでは。二組が同時に実演を行い、息詰まる舞台になるのは必至だ。(文中の午前は9時から正午まで、午後は2時から5時まで)

(ライター・羽野茂雄)