中国で事前協議 高松大会の成功を祈念
アジア太平洋盆栽水石大会(ASPAC)高松の準備が本格化してきた。小西幸彦実行委員長は5月18日から21日まで中国を訪問。中国水石展を視察し、ASPAC創設者のマック・パイマン氏や中国風景園林学会花卉盆栽水石部会の甘会長らと事前協議を行った。
風評の誤解を解く
小西委員長が感じた中国の人々の関心事は、やはり東日本大震災のその後と原発の影響だった。委員長は浜田香川県知事、大西高松市長からのメッセージを甘会長らに手渡した。この手紙には、高松市には東日本大震災や原発の影響が少ないことを明記。中国側の心配を払拭するとともに、ASPACの開催を確約し関係者を安心させた。
甘会長からは、「中国の盆栽界が地震のお見舞いを申し上げていたことや知事、市長へ手紙のお礼を伝えてほしい。高松では丁寧に準備を進めているようで、参加を前向きに検討したい」との言葉があった。
パイマン氏も支援
協議に同席したインドネシアのパイマン氏は親日家でも知られる。アジアの盆栽水石レベル向上に貢献した日本に敬意を表し、高松大会のスムーズな開催を祈念した。さらに、「会員国の了承が得られるならば、ASPACの大会旗を作成して開会式で壇上に飾り、フェアウエルパーティーで次期開催国に手渡したい」との構想を語った。
甘会長は「中国の盆栽愛好家は多いが、文化や技術は日本などから学ぶことが必要。震災や原発の影響も落ち着いた高松での開催を支援したい。国内に広く参加を呼び掛ける」と表明した。これに対して、小西委員長は「もし中国が高松の次の開催地に立候補されるなら全力で支援したい」と謝辞を述べた。
小西委員長は5月30日にもベトナム・ホーチミン市を訪れ、ASPACへの来訪を関係者に呼びかけた。
(ライター・羽野茂雄)