岩﨑さん逝く 遺志継ぎ大会成功誓う
世界盆栽友好連盟名誉会長の岩﨑大蔵さん=愛媛県新居浜市=が5月15日、逝去した。享年96歳だった。約2万坪の敷地に20万鉢が並ぶ名園「高砂庵」を同市内に保有する岩﨑さんは、県内の盆栽作家たちにも温かく接し、慈父のように慕われていた。
夫人の思い
5月24日、アジア太平洋盆栽水石大会高松大会(ASPAC)実行委員会の小西幸彦委員長や神高恵二・山地宏美両副委員長、県、高松市の関係者などが、岩﨑邸を弔問した。
岩﨑さんはASPACの名誉実行委員長を引き受け、大会最終日は、高砂庵の見学ツアーに全面協力を約束していた。岩﨑さんは海外にも知己が多く、実行委ではこのツアーを楽しみに来日する外国人も相当いるものと期待している。
同連盟副会長を務める苗美夫人は、悲しみにくれながらも「主人は長い間ASPACの高松開催を楽しみにしており、大きな心残りだったはずです。何としても遺志は守ってあげたい」と声を絞った。
ツアー実現を熱望
岩﨑さんは、世界盆栽友好連盟の関係で、昨年夏はブラジル、プエルトリコなどを歴訪、今年も3月24日に高松市内で行われたASPAC実行委員会総会に元気な姿を見せて関係者を喜ばせたばかりで、突然の訃報に、衝撃と悲しみが走った。
特にASPAC高松は、岩﨑さんがキーマンの一人で、開催への影響も強く懸念された。小西委員長ら一行は、苗美夫人の意向を確認し、胸をなでおろした。
小西委員長は「高砂庵ツアーは海外にもアピールできるASPACの目玉企画。岩﨑さんの熱い遺志を継ぎ、ぜひとも成功させたい。夫人の賛同は何より心強い。岩﨑さんの盆栽業界への貢献度は計り知れない。ASPACの開催を、故人を顕彰する何らかのメモリアルにできたら」と話している。
(ライター・羽野茂雄)