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盆栽主義

鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

展示会シーズン プロの技見るチャンス

2010年9月12日

 愛好家が待ちに待った秋の展示会シーズンが到来する。皮切りは18、19日に香川県高松市国分寺町のJA県国分寺盆栽センターで行う「国分寺盆栽センター秋まつり」、そして18日から21日まで同市玉藻町の玉藻公園披雲閣で開催する「第55回香川国風小品盆栽会秋季展」だ。

センター秋まつり

 盆栽センター秋まつりでは、盆栽や雑木、山野草の展示即売、五葉松の針金掛けやコケ玉作りの教室が開かれる。プロの技術を教わるチャンスだ。

五葉松の針金掛け教室
五葉松の針金掛け教室=高松市国分寺町、JA国分寺盆栽センター

 五葉松の針金掛けは18日午前10時から正午まで、コケ玉づくりは19日午前10時から随時受け付ける。18日午後1時から、掘り出し物も見つかる楽しいオークションがあり、誰でも参加できる。

楽しいオークション
楽しいオークション

 JA国分寺盆栽部会(山地宏美部会長)は、無料相談コーナーを設ける。愛好家が家庭で育てている盆栽の持ち込みも可能だ。これからシーズンを迎える施肥や消毒の仕方、鉢替えの方法なども相談したい。

 秋まつりで見逃せないのは、国分寺の盆栽作家たちが腕を競う共進会。会場奥の棚に並ぶ名品の数々を堪能しよう。

松平公ゆかりの小品

 香川国風小品盆栽会秋季展は、玉藻公園披雲閣大書院に同会(村下忠会長)の会員たちが約30席150鉢を展示する。小品はおおむね樹高20センチ以下の盆栽が対象で、大型盆栽とは一味違う繊細さが魅力だ。

 小品盆栽は、松平家12代当主頼寿(よりなが)公が創始者で名付け親ともいわれ、同会の初代会長を務めた。その縁あって香川県内では伝統的に愛好者が多く、現会員も40人を超えている。

昨年の香川国風小品盆栽会秋季展
昨年の香川国風小品盆栽会秋季展=高松市、玉藻公園披雲閣

 披雲閣は、高松市指定の文化財。来年のアジア太平洋盆栽水石高松大会の会場にもなる歴史的建造物での展示は見ものだ。丹精した松柏や雑木の小鉢が、さわやかな秋の訪れを感じさせてくれそうだ。

(ライター・羽野茂雄)