夏の苔玉 水やりで翌年も花楽しむ
暑い夏はグリーンインテリアで涼しいひとときを―。香川県高松市国分寺町の農村カフェ「開耶香房(さくやこうぼう)」で、女性たちが夏の苔玉(こけだま)づくりを楽しんだ。苔玉はかわいさと手軽さがうけて、人気が上昇中。同所で山野草を育てる橋本佑介さんは要望に応じて苔玉教室を開いている。
好みの木を選ぶ
苔玉づくりは、木を選ぶことから始まる。夏場は山アジサイや山ホロシなど、涼しげな花が咲く木の人気が高い。山アジサイの一種のアイヒメは青い花が見ごろを迎えている。秋の花とされるハギもかれんな花をつけ、苔玉にしてもそのまま花を楽しめる。
好みの木が決まると、ポットから抜いて、土を半分ほど落とす。底の部分は平たく削り、水苔を敷く。ケト土と赤玉、水苔を混ぜた土でダンゴを作り、手で握って余分な水分を出す。これを土の周りに張り付け、その上に苔を付けていく。苔は木綿糸で縛り安定させる。最後はたっぷりの水で洗ってゴミを落とすと、出来上がりだ。
正面も考える
苔玉にも盆栽と同じように顔がある。一般的には花やつぼみが多い部分が顔と呼ばれる正面になる。完成後にどちらを正面にするかを考えて、玉の形を傾かせるなどの工夫をするとよいそうだ。
管理のコツは水やり。この時期に花が咲く植物は、特にしっかり水を与えることが必要だ。水やりさえ欠かさなければ、ほとんどの木や花が翌年も楽しめるという。
さぬき市の藤川こずえさんは「4回目の苔玉づくりです。これまでのものはみんな元気。今回は山ホロシとアイヒメを選び、剪定(せんてい)や花後の手入れも教わりました。大きな木を小さな苔玉にまとめるのに苦労しました。次は寄せ植えにも挑戦したい」と話していた。
(ライター・羽野茂雄)