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盆栽主義

鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

タイの大会を視察して 高松開催に向け交流盛ん

2009年12月13日

 第11回アジア太平洋盆栽水石大会(ASPAC)の高松開催が決まり、準備が本格化している。1日から4日までタイで開催されたアジア盆栽友好連盟のタイ大会を山松園(香川県高松市国分寺町)の山地宏美さんと中西珍松園(同市鬼無町)の中西陽一さんが視察した。

中西さん、山地さん(左から)とタイ盆栽協会のビシット会長(右端)
中西さん、山地さん(左から)とタイ盆栽協会のビシット会長(右端)

コンパクトな手入れ

 同連盟には開催国のタイをはじめ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、シンガポール、台湾、フィリピン、韓国の8カ国が加盟。日本は加盟していないが、アジア太平洋盆栽・水石大会などで県内の盆栽作家たちと交流がある。

 2年ごとに開かれる同大会には、ガジュマル、マキ、柿、ニレ、シンパクなど約420鉢が展示されていた。

 暑い国らしく大型の盆栽が多いが、中品、小品も展示されていた。山地さんは「タイの盆栽関係者は日本の国風展にも足を運び、勉強を重ねている。年3回の葉刈りなど念入りな手入れの成果で小枝や小葉になり、盆栽のコンパクトな姿形が目を引いた」という。

ビシット会長の園を訪問
ビシット会長の園を訪問

現地のテレビに出演

 タイでの取引もある中西さんは現地のテレビに出演。盆栽の基本的な樹形、日本には四季があり多種多様の樹種があること、日本人古来の「わび・さび」の精神などを披露した。

 両氏は、台湾で開かれた第10回ASPACとタイの盆栽展の両方を視察して、「アジア各国では盆栽を通して人と人との交流を大切にしていることを感じた。夫婦で参加する人も多い。タイのように星空のもとでのディナーは難しいが、高松での開催時は、瀬戸内海を眺めながらの食事や畳の上での静寂など、日本らしくきめ細かい歓迎を考えたい」と話している。

 2人は、ASPAC高松開催へ多くの友人たちを歓迎するため、精力的にチラシや名刺を配った。 

(ライター・羽野茂雄)

タイの代表的な樹タマリンダの下で
タイの代表的な樹タマリンダの下で