山野草の寄せ植え 成長し自然の味わい増す
春の山野草は色とりどりの花が咲き、1年中で最も華やかである。寄せ植えともなると、花の組み合わせで楽しみは無限大に広がる。香川県高松市国分寺町の橋本正光園2代目・橋本佑介さんに春の寄せ植えを見せてもらった。
人気の花を選んで
寄せ植えの魅力は、自在に木や花を組み合わせられること。最近人気になっている山アジサイやテッセンは、春の寄せ植えの主役になることが多い。
寄せ植えする素材は奇数が基本とされ、初心者には3種が入りやすい。今回は山アジサイを中心に、サクラソウ、星咲きアッツザクラの3種を選んだ。
背の高い山アジサイを後ろにし、サクラソウとアッツザクラのバランスを考えて位置を決めると、後は肥料の入った赤玉土で定植する。土と木の間にすき間ができないように、土をしっかり詰めておくのがコツだ。水はけのいい土を使うと、水を与え過ぎても枯れることはない。少々高価でも、いい土は何度も植え替えする必要がないため、かえって安くつくようだ。
翌年も楽しみ
山野草のほとんどは多年草で、夏場の水やりをしっかりしておくと3年ほどは楽しめる。しかも、寄せ植えした1年目より、2年目の方が個々の山野草の成長による自然の味わいが乗ってくる。
山アジサイは勢いよく伸びるため、5月の花を楽しんだ後は、次の年の花芽ができる夏場までに切り込んでおく。根元から3―4節のところで切るとよい。新芽の向きで枝の方向を決められるため、翌年の姿を想像しながら切り込む。
寄せ植えは松柏盆栽のように長くはもたないが、「3年ほど鉢で育てた後は、盆器を水盤に変えてみるなど粋な楽しみ方もできる」。橋本さんがプロの一工夫を教えてくれた。
(ライター・羽野茂雄)