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盆栽入門

基礎知識や普段の手入れ、鑑賞のツボ…盆栽の「いろは」をプロが解説します。

厳冬期の過ごし方 水やりに注意、愛情注いで

2010年1月25日

 毎日のように氷点下となる関東や東北地方ほど、四国の冬は厳しくない。盆栽にも特別な保護策は必要ないが、軒下の陽(ひ)だまりに鉢を置くとか、小品なら棚の下に置いて強風を避けるなどの工夫は大切だ。高松市国分寺町、清寿園の平松清さん(61)に冬場の過ごし方を聞いた。

水は表土が乾いたら

 冬場の盆栽は夏ほど水をほしがらない。鉢の表土が乾いたら与えるのが目安だ。落葉樹の場合、冬に葉が落ちると枯れたと勘違いする人もいる。そこで水やりを怠ると本当に枯れてしまうので特に注意したい。

水やりは乾いたら。そして日中に
水やりは乾いたら。そして日中に=高松市国分寺町、清寿園

 水やりは朝のうちか昼間、太陽が照っているときに行うのがよい。夕方にやると夜間の低温で凍りつく場合もあるので気をつけよう。風が吹くと土がよく乾くため注意しよう。

 平松さんは「四国でやっかいなのは、冬よりむしろ夏です。特に6月から8月にかけての暑い時期は木が焼けてしまうこともある。水やりや覆いは入念に」と注意を促している。

寒さに弱い樹種も

 冬場は突然強い風が吹く日も多い。樹高の高い木や文人木のようにひょろっとした木は倒れやすく、枝が折れることもある。あらかじめ棚に結わえておくなどして備えるとよい。

樹高の高い木は結わえておく
樹高の高い木は結わえておく

 樹種によって寒さに弱いものもある。キンズ、ムラサキシキブ、サルスベリ、ウメモドキ、イソザンショウなどが代表例で、それなりの保護が必要だ。冷たい風の当たらない棚の下や陽だまり、時には室内に置くなどの工夫が望まれる。

小品は棚の下に置くのも良策
小品は棚の下に置くのも良策

 平松さんは「冬場は愛好家の皆さんにとっても厳しい季節ですが、この時期の丹精が素晴らしい春を演出してくれます。『ほっこ』にならんといかんと言う人もいます。子育てと同じで愛情をたっぷり注いでください」と話している。

(ライター・羽野茂雄)

キーワード:国分寺 清寿園