鉢合わせ 試行錯誤で原則編み出す
木と鉢のバランスは盆栽の良し悪しを決める重要な要素となる。形、大きさ、色彩など、いわゆる鉢合わせである。絶対的な決まりこそないが、長年の経験と試行錯誤からさまざまな鉢合わせの原則が編み出されている。香川県高松市鬼無町、松田清松園の松田三男さん(36)に、鉢合わせのだいご味を聞いた。
松柏には泥もの
香川県の盆栽でポピュラーな松柏類は重厚さと風格が大切にされる。そのため、色の派手でない泥(でい)ものが向くとされている。実際、長方の泥ものに植わった松の模様木は実にどっしりした姿を見せてくれる。
同じ松柏でも懸崖や半懸崖は枝が鉢からこぼれるため高さも必要となり、深めの正方か丸の鉢だと安定感が増す。直幹は長方や楕円(だえん)で縁が外に出た外縁ものがふさわしい。ひょうひょうとした文人木には、しなやかな鉢を合わせると持ち味が引き出せるという。盆上に森の広がりを表現する寄せ植えなら、浅い楕円の鉢などが合うようだ。
雑木は鉢色も大切
雑木は種類が多く、松柏より身近に親しめるため女性や若い人たちに人気が高まっている。それだけに鉢合わせも多彩で、服装のコーディネートのように楽しむことができる。
一般的に鮮やかな色の釉薬(ゆうやく)ものが多く使われているが、もちろん自由な発想で鉢を選べばよい。ただ、葉と釉薬の色が同系統のものは避けたほうがいい。
鉢の形は、幹の太いどっしりした木には底の深い長方や楕円の鉢が合い、繊細な木には底の浅い楕円の鉢などが向くようだ。
花ものや実ものも、花や実と対照的な色合いの鉢を選ぶのがよく、同じ色の鉢は避けたほうが落ち着くようだ。花や実が桜やカリンなどのように鮮やかな色調の場合は、それを引き立てる渋めの色合いが好まれるそうだ。色のコントラストも鉢合わせの楽しみだ。
(ライター・羽野茂雄)