盆栽教室(下)女性に人気が高い雑木
花もの、実ものとそれぞれに違った魅力があり、手軽に楽しめる雑木盆栽は女性に人気が高い。高松市鬼無町にある花澤明春園の盆栽教室で、チョウジュバイの植え替えを見学した。
チョウジュバイ
花もの盆栽でも人気の品種だ。ボケの仲間で、春から夏にかけて朱色のかれんな花を付け、緑の葉とのコントラストが鮮やかだ。秋は果実が黄色く熟す。
植え替えは、基本的に3年ごとに行う。まず、葉と花を落とし、不要な枝があれば取り除く。裸木のようになった状態でポットや鉢から抜く。すると、根が鉢いっぱいにらせん状に密生しているのが見える。根をはしなどでほぐし、水洗いして土をすべて落とす。
根は数センチを残し、思い切って切り落とし、鉢に植え新しい土を入れる。
バラ科の植物特有の「ガン腫病」にかかることもある。植え替えの時、「ガン腫病」を見つけたら、コブを切り取り、使った鉢、道具などは消毒する。
根伏せを楽しむ
「根伏せ」とは、根の絶妙な曲を生かす増殖法だ。チョウジュバイやボケ、ツバキ、マユミ、ウメモドキなどは「根伏せ」ができる樹木である。
9月の彼岸ごろが適期。植え替えの時に切り落とした根の中から曲のよいところを見つけて切り取る。上下を間違えないように鉢に植え、根元(木に近い太い方)を1センチほど土の上に出し、水ゴケをかぶせて保護する。翌年9月には1本ずつ鉢に上げ、3年目には本鉢に植え替える。
「根伏せ」してから数年たつと、地中にできた自然の根の曲が幹となり、風趣あふれる幹模様が完成する。見えないところに掘り出し物が隠れていることもある「根伏せ」。この方法を知ると植え替えの時期が楽しくなってくる。
(ライター・羽野茂雄)