盆栽教室(上)ファンが増え講習会人気
盆栽ファンが増えている。盆栽作家による盆栽講習会も人気だ。高松市鬼無町の花澤明春園でも、花澤登人さん(52)が年間を通して教室を開催している。8月の教室にお邪魔して、盆栽の植え替えを学んだ。
土はすべて落とす
5月の教室で芽切りした樹高15センチ、接ぎ木して6―7年の五葉松を、素焼きの鉢やポットから常滑焼の化粧鉢に植え替えた。
老樹は土を半分ずつ入れ替える場合もあるが、若い木は、古い土をすべて新しい土に入れ替える。ピンセットやはしで根をほぐし、最後は水洗いする。鉢いっぱいに伸びた根は太いものを中心に剪定(せんてい)する。
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
初心者は、鉢を少し大きめにすると無難とか。この日は、横11センチ、縦9.5センチ、深さ7センチの鉢を使った。底にナメクジやダンゴ虫などの侵入を防ぐ網を張り、木を固定する針金を準備する。底土は山高に盛り、根を押しつけて深さを決めて土を入れていく。木の正面も大切だが、花澤さんは「2年後には再び植え替えするため、神経質になる必要はない。人によっていろいろ正面があるのも楽しい」と話している。

用土を工夫する
松は雑木や山野草ほど水を必要としない。そのため、砂やボラ土(軽石)など水をつかまえない性質の土を半分、水をよく吸う赤玉土を半分ほど使う。
松は植え替え後に養生する必要はなく、すぐ外に出して、水やりなど通常の管理を行えばよい。
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花澤明春園では、盆栽・山野草の初級教室を月1回、年間12回開催している。毎回花澤さんの指導で座学と実践を行い、少人数で季節の盆栽・山野草を楽しんでいる。1日体験教室や2年目からの上級コースもある。期日や素材、道具など実費の問い合わせは同園、電話087(881)2847。
(ライター・羽野茂雄)