将来を担う(3)1鉢の小品でも楽しい
香川県高松市国分寺町、平松春松園の平松浩二さん(44)は、四国でただ一人、全日本小品盆栽協会の理事を務めている。昨年12月の第37回日本盆栽作風展で入選、アジア太平洋盆栽水石高松大会でもデモンストレーターを務めた気鋭は、小品盆栽の将来性を強調する。
手軽で自由に
小品盆栽の魅力は、手軽で女性にも受け入れやすいところだろう。持ち運びしやすいのも利点で、置き場所も自在に変えられる。インテリアとして工夫するのもおしゃれだ。松柏はもちろん、実もの、花もの、葉ものなど、樹高20センチにも満たない小品盆栽は、どれも実にかわいらしい。
盆栽展で目にする本格的な7点飾りや3点飾りは、卓や樹種選びも大変だが、1鉢からでも楽しめる。平松さんは「気に入った1本から始めたらいいんですよ。大型盆栽の迫力も醍醐味(だいごみ)ですが、小品は小さいながらも存在感があります。自分で世話をして作る楽しみを知ってもらえたら」と、気軽に取り組むことを勧めている。
繊細に手入れ
花もの、実もの、葉ものの小品盆栽は季節感にあふれている。春松園では春になっても実のついた紫式部、ピラカンサ、トキワ柿などが並んでいる。チョウジュバイには花も残っている。樹のためには実や花は早めに取り除く方がいいが、霜に当てずに保護すると長く楽しめるそうだ。
小品の管理で気をつけなければならないのは、夏場の水管理。鉢が小さいだけに、大型や中品よりも繊細に見守ることが必要だ。マンションなどで楽しむ場合は、部屋に置きっぱなしにするのではなく、十分に日光を当て、風通しをよくするようにしたい。
平松さんは「木でも花でも何でも盆栽にできます。自分で針金を掛けられるようになると楽しいですよ」と話している。
(ライター・羽野茂雄)