ASPAC回顧(上)感動と交流生んだ4日間
11月18日から開催されたアジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC高松)が21日、閉幕した。4日間で国内はもとより世界各国から約7万6千人が来場、実行委員会(小西幸彦委員長)が見込んでいた3万人を大きく上回る成功を収めた。日本で初開催の同大会は、盆栽水石愛好家が集う世界最大規模の大会で、温かい感動と交流の舞台となった。
締めは高砂庵
大会最終日21日のメーンイベントは、愛媛県新居浜市にある故岩崎大蔵さんが所有した高砂庵盆栽庭園の見学。ASPAC高松に参加登録した国内外の愛好家、盆栽作家ら約400人が参加した。
ASPAC高松大会実現に力を発揮した故岩崎さんは世界各国で親しまれており、悼む声も多く聞かれた。
次回第12回大会の中国誘致を実現した世界盆栽友好連盟会長の胡運※(フユンファ)さんは「岩崎先生とは2年前に東京で会って一緒に写真を撮った。ここに姿がないのが残念」と話した。
ハワイから来たジェーン・ヤマシロヤさんは、来日20回を数え、高砂庵にもたびたび足を運んでいる。「ここは来るたびに新しいものが増えていて素晴らしい。岩崎さんはハワイがお好きで、主人と一緒にカジキマグロ釣りをしたこともありますよ」と振り返った。
大会でデモンストレーションを行った礒部繁男さんは「先生には作品を置いてもらったこともあり、大変お世話になりました。主人のいない高砂庵は寂しいですね」と残念がっていた。
次回は中国で
大会3日目の20日には、ASPACの代表者会議が行われ、次期開催地を中国江蘇(こうそ)州金壇(きんだん)市に決定。大会のロゴマークも決めた。
金壇市は南京に近い人口約55万人の都市。長江デルタの中心に位置する。約2千年の歴史と豊かな自然を誇り、「中国優秀な観光都市」「庭園緑化模範都市」などの称号がある。
(ライター・羽野茂雄)
※は馬へんに華