ASPAC準備大詰め 外国人受け入れ着々と
アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC)の開幕が来週18日に迫った。実行委員会では、本番に備えて入念な準備に追われている。10月末に開催した「きなし盆栽植木まつり」でも、外国人の盆栽教室や外国人通訳への研修を2回ずつ行い、問題点を探った。
ボンサイ、楽しい
外国人の盆栽教室には中国、米国、インドネシアなどから十数人が参加。五葉松の剪定(せんてい)や針金掛けに挑戦した。中には、盆栽を枯らせた経験を持つ女性もいたが、ほとんどは初めて盆栽に触る人たちだった。
指導役は実行委員会の中西陽一運営部会長や出上文雄広報部会長ら。出上さんは「盆栽は、自然の美しい樹を植木鉢の中に表現したもの。根張り、幹模様などが大切だが、各人の好み(センス)で自由に楽しんでください」と呼びかけた。
米国ミシガン州から来日しまんのう町に住むジェイク・ヤングさん(27)は、「短時間でこんなに姿が変わるとは。作家が思い切って枝を落とすのには驚きました。針金の技術はまさに芸術ですね。本当に楽しい経験でした」と話し、自分で形を整えた盆栽を大事そうに持ち帰っていた。
難しい用語に挑戦
中国黒竜江省から来日し高松市に住む末本晨冶さん(39)は、通訳ボランティアに名乗りを上げている。「根張り、幹模様など難しい用語も多いが、日本独特の盆栽文化を理解し、中国の人々に正しく伝えたい。この機会にしっかり勉強して、将来は盆栽の輸出に関する仕事をしてみたい」と張り切っている。
中西部会長は「日本語が長すぎるとわかりにくい。適当に切って通訳を入れる工夫が必要だ。ASPACに訪れる外国人に日本の盆栽の魅力を伝えるため、通訳ボランティアの皆さんに頑張っていただきたい」と期待している。
(ライター・羽野茂雄)