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盆栽主義

鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

パイマン氏来日 「いい作品 心で感じて」

2010年11月7日

 アジア太平洋盆栽水石大会(ASPAC)の創始者でインドネシア水石協会会長のマック・パイマン氏が高松市の「きなし盆栽植木まつり」の視察のために来日、盆栽作家や子どもたちとの触れ合いを楽しんだ。パイマン氏は所蔵する水石も特別展示、来年11月18日から21日まで高松市などで開催する第11回ASPACの1年前イベントに花を添えた。

作品をゆっくり視察
作品をゆっくり視察

高松は世界レベル

 会場の展示をじっくり視察したパイマン氏は、「世界レベルの松盆栽が数多く並んでいる。高松の作家たちが長時間かけて丁寧に育ててきたことがうかがわれる」と、高く評価した。

 見学に訪れた地元鬼無小学校の6年生たちにも、インドネシアや盆栽についての話をした。パイマン氏は「盆栽はアジアを代表する文化。高松では小学生が盆栽に興味を持っているのは素晴らしい。技術の優れた先輩たちが近くにいて幸せですね。熱帯雨林のインドネシアでは日本より盆栽の成長が早い。皆さんも盆栽に負けないように成長してください」と話した。気さくに記念撮影に収まる氏に、子どもたちも大喜びだった。

小学生たちと記念撮影
小学生たちと記念撮影

伝統文化を守る

 パイマン氏は6回目の来日。今回は高松市を中心に京都などを巡った。「盆栽は中国から始まったが、日本で伝統文化が磨かれ、世界へ広がっている。すでに『BONSAI』は愛好家仲間の世界共通語だ。来年のASPACは世界の皆さんが期待しており、海外からも多数参加すると聞いている。成功を信じています」とエールを送った。

取材に応じるパイマン氏
取材に応じるパイマン氏

 盆栽を世界に広げる課題は「世界的な展示会を通して、多くの人々にいい作品を目で見て心で感じてもらうことが大切だ。そのため、美しい風景と温かい心がある高松で開催されるASPACは大きなチャンスだと思う」と話した。

(ライター・羽野茂雄)