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盆栽主義

鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

二大展示会 1年後に向け盛り上がり

2010年10月19日

 10月下旬は県内の二大盆栽展示会が相次ぐ。22日から24日までは高松市国分寺町で「第23回グリーンフェスタ国分寺」、翌週の29日から31日までは香川県高松市鬼無町で「第28回きなし盆栽植木まつり」が開催される。アジア太平洋盆栽水石大会(ASPAC)高松大会を1年後に控え、両会場とも趣向を凝らして盛り上げを図っている。

高砂庵の名木

 昨年は鳩山前総理の盆栽が話題を呼んだグリーンフェスタ国分寺。今年は愛媛県新居浜市の岩崎大蔵さんが所蔵する高砂庵盆栽庭園の3鉢を特別展示する。

グリーンフェスタ国分寺で展示する岩崎さん所蔵の瑞祥「旭光」
グリーンフェスタ国分寺で展示する岩崎さん所蔵の瑞祥「旭光」

 「旭光」の銘がある五葉松瑞祥は、樹高80センチ、樹齢約50年の名品。計画的に培養された瑞祥では代表的な古木で、理想的な樹形で知られている。樹高73センチ、樹齢120年の宮島五葉松や樹高93センチ、樹齢約200年の赤松も展示。いずれも世界盆栽友好連盟名誉会長である岩崎さん好みの大型盆栽で、圧倒的な存在感で鑑賞者に迫ることだろう。

 米国人所蔵の樹齢約70年のシンパク展示や、オークションに登場するイチイも注目を集めそうだ。

パイマン氏の水石

 きなし盆栽植木まつりも、ASPAC成功を願って記念展示を行う。目玉は、ASPACの創始者で、前々回のインドネシア大会の会長マック・パイマン氏所蔵の水石。高松開催実現を支援したパイマン氏は、開会式への来場を約束し関係者を喜ばせている。前回の台湾大会の陳蒼興会長所蔵の水石も展示する。

陳会長の水石
陳会長の水石

 ポスターに使った赤松は、山採りの古木を神高松寿園で20年ほど培養した。文人木の魅力が凝縮されている。山野草教室などとともに見ものだ。

鬼無で展示する赤松の文人木
鬼無で展示する赤松の文人木

 鬼無植木盆栽センターの神高恵二組合長は「これまでは組合員だけの展示だったが、今回は世界の水石も加えて、来年のASPACを盛り上げたい。水石は四国ではなじみが薄いが、名品を見て関心を持ってもらいたい」と話している。

(ライター・羽野茂雄)