広がる国際化 米国で改作や手入れ指導
「BONSAI」の言葉が世界でも通用するようになって久しい。香川県高松市国分寺町の春松園は20年来、米国業者との取引を続けている。4代目で全日本小品盆栽協会理事の平松浩二さんは4月8日から20日まで、テキサス州を訪問。愛好家たちに小品盆栽の改作や手入れの仕方を指導した。
高度な技に歓声
アメリカ合衆国西南部のテキサス州州都オースチンで盆栽園を営むマイケル・ハンセン氏の園には、「BONSAI」の看板がかかっている。園内には日本で求めた松やシンパクの小品が多い。氏は2年に1度くらい来日し、春松園に足を運んでいる。
平松さんは今回、ハンセン氏に招かれ、小品盆栽の針金掛けや剪定(せんてい)などのデモンストレーションを行い、愛好家の相談にも乗った。
平松さんは、集まった愛好家の前で普通サイズのサツキやシンパクを樹高20センチほどの小品に改作した。シャリやジンを作る技も披露すると、いつも見ているものとは違った高度な技に歓声が上がったという。
本物を見てほしい
米国の盆栽は、日本や中国、韓国などに比べると歴史が浅い。レベルにもやや隔たりがあるが、近年は米国独自の木が増え、徐々に盆栽文化が向上している。
英語力を生かして盆栽の国際化に力を注ぐ平松さんは、来春にも米国ミズーリ州セントルイスでのデモンストレーションを予定している。
「あの広大な国に住む米国人が繊細なことを言い始めているのが面白い。技術そのものよりも盆栽を愛する文化の浸透が感じられる。これからは日本の本格的な展示会などを見て、本物の盆栽を知ってもらいたい」と願っている。
そして、来年秋に高松で開催されるアジア太平洋盆栽水石大会への参加を呼び掛けたのはもちろんだ。
(ライター・羽野茂雄)