苔玉を楽しむ 若い感性で新たな表現
重厚で年季が重視される盆栽と違って、気軽に楽しめる苔玉(こけだま)は、このところ若い女性を中心に人気が上昇している。花澤明春園(高松市鬼無町)の花澤美智子さん(27)は、若い感性を生かした斬新で楽しい苔玉作りを提案している。
数字で遊ぼう
花澤さんは、今年2月に高松市内で行われたフラワーフェスティバルに、アラビア数字の0から9までを表現した苔玉を出品して評判を呼んだ。
黒松の若木に針金をかけて苔玉にしているうち、数字やアルファベットにしても楽しいことを発見。さっそく挑戦すると、数字がうまく出来上がった。ハート形もお気に入りだという。
苔玉はもちろん成長するが、数字やハートの基本形は維持できる。肥料を最小限にして、太らせない、伸ばさないのがコツだ。
花澤さんは、英語のアルファベットもある程度は完成させている。「WELCOME」なら表現できるという。玄関に飾れば、面白いオーナメントになることだろう。
植え替えは不要
山野草や盆栽は、苔玉にすると長く楽しめる。管理が簡単で、植え替えや剪定(せんてい)の必要もない。時間がたつにつれて、自然にいい形になる。
桜など花ものも苔玉で楽しめる。かわいい苔玉のケイオウ桜は、3月初旬に見事な満開の花をつけていた。根さえ切らなければ咲いたままの木でも苔玉にできる。時期も暑い夏と寒い冬を除けば年中楽しめるそうだ。
花澤明春園には楽しいお客さまもやってくる。香川県のキャラクター「青鬼くん」と、岡山県の「ももっち」が一緒にやってきて、苔玉作りを楽しんだこともある。こうしたお客さまも大歓迎だという。
花澤さんは、苔玉作りの講師も務めるほか、苗の持ち込みも受け付けている。
(ライター・羽野茂雄)