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盆栽主義

鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

産地・鬼無の特徴 シェア8割の一翼担う

2010年2月14日

 香川県高松市の鬼無町は国分寺町と合わせて松盆栽生産の全国シェア80%を占める産地だ。県鬼無植木盆栽センター(神高恵二組合長)に加盟する組合員は78人。1974年の結成時から6割ほどに減っているが、200年も続く鬼無盆栽の伝統を守っている。

5の付く日は競り市

 JR鬼無駅から高松西高校隣にある県鬼無植木盆栽センターまで続く坂道は「盆栽通り」と呼ばれ、周辺に盆栽業者が軒を連ねている。この通りや鬼無小学校、JR鬼無駅周辺に盆栽畑が広がっている。

高松市鬼無町の「盆栽通り」
高松市鬼無町の「盆栽通り」

 毎月5日、15日、25日は、年間を通して盆栽センターで競り市が開催されている。松はもちろん雑木や果樹、花ものなど多彩な樹種があり、四国はもとより広島、静岡県などから参加する人もいて毎回にぎわっている。登録料、手数料合わせて2万5千円を払えば、誰でも2年間72回すべての競りに参加することができる。3年目の更新は3150円である。

大勢の盆栽愛好家でにぎわう五の付く日の市
大勢の盆栽愛好家でにぎわう5の付く日の市=高松市鬼無町の県鬼無植木盆栽センター

根気よくPR

 神高組合長は、盆栽をはじめ石材など地場産品の厳しい現状を憂いながらも、「長年磨き上げてきた盆栽は精神性や文化度が高く、癒やしの時代には見直されるはず。根気よく松盆栽の魅力を訴えていきたい」と話している。

 最近の専門誌でも、黒松のブーム再来が取りざたされている。手軽な花ものや実ものに押されて、松の人気に陰りが見えていたが、再び盆栽の王様の復活が話題になっている。

「盆栽と植木の里・鬼無」をアピールする看板
「盆栽と植木の里・鬼無」をアピールする看板

 もう一つの追い風は、2011年秋に高松での開催が決定した「アジア太平洋盆栽水石大会」である。神高組合長は「地方都市でアジア大会を開催するとなれば快挙だ。」と張り切っている。

(ライター・羽野茂雄)