ASPAC高松開催に向け 産地を挙げた地道な努力
10月31日から11月3日まで台湾で開催された第10回アジア太平洋盆栽水石大会(ASPAC)で、2011年の次回開催地に高松市が決定してから約1カ月。受け入れの責任者となる小西幸彦準備委員会委員長に高松開催実現の喜びや抱負を聞いた。
1月に実行委を発足
同大会には、高松開催を実現するため香川県内から小西委員長をはじめ、高松市の大西市長や盆栽関係者など約60人が応援に参加した。中国南京市やマレーシアの立候補も取りざたされていたが、大会創設者で開催地決定のキーマンとなるマック・パイマン氏(インドネシア)や梁悦美アジア盆栽友好連盟会長(台湾)らの力強い支援で、初めての日本開催が決まった。
小西委員長は「産地挙げての地道な努力が評価されてうれしい。行政のバックアップが明確であることも大きかった。1月にも実行委員会を発足させ、ホームページやポスター作りなど本格的な準備に入りたい」と意欲を見せている。
日本の質と技を披露
本番では高松市の鬼無地区、国分寺地区を中心に、前回紹介した高砂庵(愛媛県新居浜市)の岩崎大蔵さんの快諾を得て、同庵も会場になる。小西委員長は「日本の素晴らしい盆栽と盆栽作家の技術を見てもらいたい。特に、高砂庵の名品は世界の愛好家にも知られており、鑑賞を楽しみに来日する人も多いはず」と話している。
岩崎さんは世界盆栽友好連盟の名誉会長。苗美夫人も副会長で、世界中から人を呼べる夫妻の高名にかかる期待も大きい。
盆栽は海外からの出展ができず、日本のものだけの展示となる。水石は海外からの持ち込みが可能で、各国に出展を依頼する予定だ。
小西委員長は「香川の盆栽を世界に広める絶好の機会だ。高松の観光や産業も同時に発信するため、広く県民の理解と協力を期待したい」と願っている。
(ライター・羽野茂雄)