国分寺の名品 立ち上がり力強い黒松
10月26日から28日まで、高松市国分寺町の橘ノ丘総合運動公園で「第20回グリーンフェスタ国分寺」が開催された。「愛好家とともに」をモットーにするこのフェスタでは例年愛好家の所蔵品を選んでおり、今回上位入賞した3点を紹介する。同フェスタ実行委員会の平松清会長に講評してもらった。
文部科学大臣賞
この黒松の樹齢は比較的若いが、根張りがよく立ち上がりが力強い。幹の絞り、いわゆる下が太くて上が細いという盆栽の条件を満たして大木の趣を醸している。一の枝、二の枝、三の枝の出所もよく、将来性豊かな黒松だ。
鉢合わせがよく、細かいところまで気が配られている。作りこむほどよくなっていくだろう。盆栽としての資質を備えているので、古木感が出てくれば素晴らしい模様木になるだろう。
環境大臣賞
この黒松は立ち上がりの部分のねじれ、幹模様に山取り独特の自然の味が出ている。一の枝も細かい模様があり、頭部までの幹模様もよい。山取りは成長が遅く、相当年数、山に自生していたものを、鉢の中で35年は培養していると推定される。
古い木でありながら、葉が生き生きしているのがいい。中帯(なかおび)という品のある鉢が木の優美な姿を引き立てている。席飾りや、下草など全体のバランスもほどよい感じだ。
農林水産省生産局長賞
小品は小さいところに時代感があり、味わい豊かなものがある。樹高15センチ程度が理想とされているが、山本さんの作品はさらに小さいものが多い。もちろん、小さいものほど難しい。
天に力強く安定した黒松を配し、前置きは変化のある半懸崖(けんがい)の真柏で全体の調和を取っている。上段、下段に葉もの、実ものを置き、深まりゆく秋の情景を表現。木に合う鉢や飾(しょく)を使い分けているところも心憎い。
(ライター・羽野茂雄)