山野草の寄せ植え 鉢の中に理想郷つくる
一品だけでも美しい山野草は、寄せ植えにすると楽しみも倍加する。花が咲き紅葉する時の光景などを想像しながら寄せ植えを仕立てる時間は、愛好家にとって至福のひと時となる。香川県高松市国分寺町、橋本正光園の橋本佑介さんに山野草寄せ植えの基本的な心得を聞いた。
草木の配置が大切
「山野草の寄せ植えは最初の配置が大切。これさえ決まれば、後はポットから抜いて植えるだけ」と、橋本さんは配置の重要性を強調する。
植物の数は奇数が好ましいとされ、まずは3種がやりやすい。正三角形だと重心がぼやけることがあるため、不等辺三角形を心がけ、花の時期も考えてバランスを取るとよい。
今回は、ダイモンジソウ、クレハデマリ、クサボタン、ハツユキカズラ、チョウジュバイの五種を使った寄せ植えを見せてもらった。
花や木は向きや高低を大事にし、すべて鉢に納めようとせず、はみ出させても立体感が出る。
2年目から自然の形
植物の種類や配置、鉢合わせなどは、経験で身につく。慣れないうちは自由に考えてよい。ただ、植物が目立たなくなる派手な色の鉢は避けた方がよい。
寄せ植えは、1年目は自分の形、2年目から自然の形ができると言われる。それだけ草木の成長が重要な要素となる。
多年草が多い山野草は3年程度で植え替える。夏場の水やりや冬場の温度管理を怠らなければ、自然の力が素晴らしい寄せ植えを仕立ててくれるはずだ。
橋本さんは「山野草は松柏盆栽などと違って、安価なものが多いので、失敗してもダメージは少ない。鉢の中に理想郷をつくるように気楽に自分だけの寄せ植えづくりに挑戦してほしい」と話している。
(ライター・羽野茂雄)