厳冬期の過ごし方 水やりに注意、愛情注いで
毎日のように氷点下となる関東や東北地方ほど、四国の冬は厳しくない。盆栽にも特別な保護策は必要ないが、軒下の陽(ひ)だまりに鉢を置くとか、小品なら棚の下に置いて強風を避けるなどの工夫は大切だ。高松市国分寺町、清寿園の平松清さん(61)に冬場の過ごし方を聞いた。
水は表土が乾いたら
冬場の盆栽は夏ほど水をほしがらない。鉢の表土が乾いたら与えるのが目安だ。落葉樹の場合、冬に葉が落ちると枯れたと勘違いする人もいる。そこで水やりを怠ると本当に枯れてしまうので特に注意したい。
水やりは朝のうちか昼間、太陽が照っているときに行うのがよい。夕方にやると夜間の低温で凍りつく場合もあるので気をつけよう。風が吹くと土がよく乾くため注意しよう。
平松さんは「四国でやっかいなのは、冬よりむしろ夏です。特に6月から8月にかけての暑い時期は木が焼けてしまうこともある。水やりや覆いは入念に」と注意を促している。
寒さに弱い樹種も
冬場は突然強い風が吹く日も多い。樹高の高い木や文人木のようにひょろっとした木は倒れやすく、枝が折れることもある。あらかじめ棚に結わえておくなどして備えるとよい。
樹種によって寒さに弱いものもある。キンズ、ムラサキシキブ、サルスベリ、ウメモドキ、イソザンショウなどが代表例で、それなりの保護が必要だ。冷たい風の当たらない棚の下や陽だまり、時には室内に置くなどの工夫が望まれる。
平松さんは「冬場は愛好家の皆さんにとっても厳しい季節ですが、この時期の丹精が素晴らしい春を演出してくれます。『ほっこ』にならんといかんと言う人もいます。子育てと同じで愛情をたっぷり注いでください」と話している。
(ライター・羽野茂雄)