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盆栽入門

基礎知識や普段の手入れ、鑑賞のツボ…盆栽の「いろは」をプロが解説します。

展示(上)親近感 全国唯一、JAが管理

2009年9月8日

 盆栽は培養するのが基本だが、販売促進につながる展示の方法も大切である。気軽に入れて量販店のように親しみやすい展示と、日本料亭を思わせるような美しい展示で人気を集める2つのスポットを2回に分けて紹介する。

二十数業者が一堂に

 香川県高松市国分寺町の県道33号沿いに、JA国分寺盆栽センターがある。1968年の開設以来、正月を除き年中無休で営業している。約1000坪のスペースに常時約8000鉢の松柏盆栽、雑木、山野草などを展示している。盆栽どころ国分寺の栽培者28人が、自慢の品々のほとんどに値段を表示して展示即売している。

 管理するJA香川県ふれあいセンター国分寺店の作花和広所長は「JAが管理する盆栽センターは全国でもここだけ。産直市のような親しみやすさと格安の価格が魅力。ゆったりした展示を楽しんでください」と話している。

広々とした展示のJA国分寺盆栽センター
広々とした展示のJA国分寺盆栽センター

団塊&高速道路効果

 2009年に入って、高速道路の土日、祝日割引の影響もあり、香川県外ナンバーの来県が増えている。同センターも例外ではなく、インターネットなどで調べて来場する人も多い。こうした県外客は購入する率も高い。産地ならではの低価格が喜ばれ、宅配などの注文が増えている。

にぎわう春の盆栽まつり
にぎわう春の盆栽まつり
値段がついているのがうれしい
値段がついているのがうれしい

 団塊世代の大量退職で、時間と金に余裕のある人が増え、盆栽人気も高まっている上、やや不調だった松柏盆栽の売れ行きも回復している。松柏は雑木や山野草より高価で、JAではこの傾向を歓迎している。

 出品者も毎日のように顔を出し、鉢の補充や入れ替えを行っている。直接話を聞ける機会も多い。

 作花所長は「インターネットの販売も伸びている。PRとリニューアルを進めたい」と話している。

 (ライター・羽野茂雄)