「もみじ(清玄)」白交趾楕円鉢
樹齢:約100年 樹高:74センチ
もみじ

4月の芽出しのころに赤い葉が吹き出す。同じ赤芽性のもみじの仲間「出猩々(でしょうじょう)」ほど鮮やかではないものの、春の彩りには貴重な赤である。
特徴は、根張りや立ち上がりが力強く、全体の流れがまとまっていることだ。幹肌に時代感があり、もみじ盆栽の理想的な姿が実現している。夏季に葉が旺盛に茂る時期を考慮して、やや大ぶりの鉢に植えたことで、自然の大地に生えた姿をほうふつさせる。
もみじはこのような情景の後、初夏の新緑、夏場の緑したたる勢い、そして秋は黄色がかった紅葉、さらに冬枯れの寒樹の姿まで、1本の木が年中違った趣で愛でる者の目を楽しませてくれる。まさに、日本人のわび、さびの心に響く落葉樹ならではの魅力である