職人・愛好家 世界に誇る高松の盆栽文化を支える人模様

中西陽一さん(中西珍松園)

2009年5月 4日

 中西珍松園の5代目園主・陽一さんは、次代の香川の盆栽文化を担う若手の一人だ。


 子どものころは全国大会にも出場したほどのサッカー少年で、大学時代は居酒屋をやりたいと考えたこともある。しかし盆栽はずっと身近な存在であり、常に後継者としての意識を持ち続けていたという。22歳のときに帰郷し、父・輝哲さんや職人たちに教えられながら修行を始めた。


中西陽一さん
中西陽一さん

 園の主力は大型の黒松盆栽。堅実な作風だが、「盆栽は堅苦しいものではなく、気軽に季節を遊ぶもの。もっと盆栽に触れる機会をつくり、たくさんの人に楽しさを知ってもらいたい」と陽一さん。棚場や玄関先の展示を工夫し、訪れた人がリラックスして楽しめるよう心を配る。インターネットの普及で情報が広がり、欧米からの来訪者も増えた。盆栽づくりを学びたいと珍松園の門をたたき、現在修行中の外国人スタッフもいる。

日本庭園風のアプローチ(2008年7月撮影)
日本庭園風のアプローチ(2008年7月撮影)

 盆栽に馴染みのない人たちへのPR活動にも熱心だ。高松市鬼無地区の若手作家が中心となって10年前から開催している「萌雅展」では、旧高松城跡・玉藻公園で伝統的な席飾りや床飾りの魅力を伝える。庵治石や漆など香川の伝統産業に取り組む人たちと「TEAM.WASABI」を結成し、新しい切り口でのコラボレーション活動も行っている。陽一さんは「ものづくりに携わる者同士、交流を通じて打ち込み方や姿勢を学べる。意見がぶつかることもあるが、そこから素晴らしいものが生まれるんです」と語る。

 さまざまな方法で盆栽の伝統と魅力を伝える陽一さん。「伝統文化であると同時に、癒やされる趣味として人気が高まっていると思う。自由な楽しみ方を知る人が増えてくれたら...」と、温故知新の精神で盆栽文化の未来を見つめている。
中西珍松園

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