盆栽主義 鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

将来を担う(4)入賞重ねブランド力向上

2012年3月19日

 香川県高松市鬼無町、松田清松園の松田三男さん(39)は、昨年12月の第37回作風展で文人部門最高賞の組織委員長賞に輝いた。過去にも同展サツキ部門の最高賞を受賞、アジア太平洋盆栽水石高松大会(ASPAC高松)では、披露した高度な技が感嘆の声を浴びた。


自園で作風を磨く松田さん
自園で作風を磨く松田さん=香川県高松市鬼無町、松田清松園

技を追求

 作風展はプロが真剣に腕を競う場である。松田さんは同展に8年連続で出展するなど、技の追求に情熱を燃やし続けている。それには明白な理由がある。

 『鬼無』という日本一の松盆栽の産地に育ち、恩恵も受けてきたが、もはや産地の名前でやっていける時代ではない。

 作風展で上位に入賞すると、専門誌に紹介されて全国に名が知られ、鬼無へ足を運んでもらうきっかけになる。ここで仕入れる顧客や外国人業者にとっても生産者である松田の名前が売れることで、ブランド力が上がるなどビジネスの面でもメリットがある。

 「これからも作風展で賞を狙い続けます。いずれは内閣総理大臣賞も」と力強く語る。

作風展で組織委員長賞を受けた五葉松
作風展で組織委員長賞を受けた五葉松

商機探す

 ASPAC高松で日本代表のデモンストレーターを務めた松田さんは、世界の愛好家に瀬戸内海をイメージした寄せ植えを披露した。名誉ある肩書に感謝しつつ、多くのことを学んだ。

 竹山浩日本盆栽協会理事長の円熟の技には舌を巻いた。短時間で仕上げたとは思えない完成度の高い作品は、経験と技の大切さを雄弁に物語った。情報通り、外国では盆栽人気が高まっていることも確認できた。輸出に力を入れている松田さんには、将来構想で何よりの収穫だった。

ASPAC高松で松田さんが披露した寄せ植え
ASPAC高松で松田さんが披露した寄せ植え

「若者が盆栽に興味がないのは仕方のないこと。むしろ他に理解者や需要は多い。発想やターゲットを変えるとチャンスはある。日本の盆栽をなくしてはいけないから...」と、将来への決意を聞かせてくれた。
(ライター・羽野茂雄)
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