盆栽主義 鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

若手盆栽家(下)女性の感性で独創的に

2010年7月 1日

 香川県高松市鬼無町には女性の後継者もいる。花澤明春園の花澤美智子さん(27)だ。美智子さんは高校、大学とハンドボールに打ち込み、現在もクラブチームで活躍しているが、5年前からは自宅でもある同園で盆栽修業に励んでいる。


1年前に自分で針金をかけた五葉松の古葉をとる花澤美智子さん
1年前に自分で針金をかけた五葉松の古葉をとる花澤美智子さん=高松市鬼無町の花澤明春園

自由奔放に楽しむ

 美智子さんは、父で同園3代目の花澤登人さん(53)の指導を受けながら、盆栽、山野草、松苗の曲付け、針金かけなどを学んでいる。

 登人さんは「基本は教えるが、あとは好きにやらせている。これからの盆栽は若い女性の感性が必要」と話している。美智子さんは「父は時に厳しく時に温かく見守ってくれ、私が望む素材調達などに協力してくれています」と感謝している。

 美智子さんがこのところ力を入れているのは、苔玉[こけだま]と瓦のコラボレーション。四角い瓦に苔玉を付け、ナンテン、ウメや黒松を植える。父親譲りの独創性が光る作品だ。

瓦と苔玉のコラボ作品
瓦と苔玉のコラボ作品

山野草にかける

 盆栽と言えば松が主流だが、美智子さんは違う。「松は確かに花形だけど、私はお客さまからの要望も多い山野草や小さな盆栽の魅力にかけたい」。考え方は明快だ。

 「植物は次々芽が出て、花が咲くのが楽しい。世話をしただけ姿かたちがよくなっていくのも魅力。経験が浅くて確信は持てないけれど、盆栽は続けていくと思います」と、両親を喜ばせている。

 美智子さんの独創的な苔玉の作品は、顧客の評価も高まっている。淡路島や愛媛県菊間、高知県安芸など、ふさわしい瓦探しにもこだわる。苔玉は数をこなして自信をつけているが、今後はもっと盆栽や山野草の勉強を重ねながら、やがては自分なりの作風を育てる大きい夢を持っている。
 (ライター・羽野茂雄)
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