盆栽主義 鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

最近の北米事情 形式こだわらずおおらか

2010年3月 9日

 前回紹介したヨーロッパとともに、アメリカ合衆国、カナダなど北米各地でも盆栽は親しまれている。もちろん国際語となった「BONSAI」は、ここでも日常的に使われる。北米事情に明るい香川県高松市鬼無町、松田清松園の松田三男さんに最近の状況を聞いた。

雑木の人気が上昇

 松田清松園は、三男さんの父で先代の健治さんが35年ほど前から輸出を始めた国際取引の先駆けでもある。三男さんも15年ほど前からアメリカ西海岸やカナダとのビジネスを展開し、近年は年1回北米を訪れている。

輸出用の五葉松と松田さん
輸出用の五葉松と松田さん=高松市鬼無町、松田清松園

 西海岸は日本からの移民が多く、日本人街もあるほどで、昔から盆栽の土壌があった。松田さんは「盆栽そのものの魅力や日本への郷愁などがあいまって、盆栽人気が高まっているのでは...」と推測する。

 北米の輸出の中心は五葉松だったが、最近はウメモドキ、ピラカンサ、イワシデなどの雑木類が増えてきた。サツキの人気も上昇している。

技術的にはこれから

 松田さんは今年9月、カナダのモントリオールを訪問。デモンストレーションを行いワークショップも開いた。

ワークショップで技を見せる松田さん
ワークショップで技を見せる松田さん=カナダ・モントリオール

 愛好家が持参したコメツガは山採りした木を4-5年鉢で持ち込んだボサボサのものだった。およそ盆栽とは言い難く、松田さんは二の足を踏んだが、2時間の限られた時間内にハサミと針金で基本的な樹姿に整えた。集まった愛好家からは、松田さんの日本的な細かい技に驚きと称賛の声が挙がった。

整姿前(左)と整姿後のコメツガ
整姿前(左)と整姿後のコメツガ

 松田さんは「北米では形式や伝統にはこだわらず、自分が気に入ればよいというおおらかさがある。しかし、これまでなかった全国的な展示会も誕生したため、技術向上が期待できるのでは」と話している。
(ライター・羽野茂雄)
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