盆栽主義 鉢の中の小宇宙・盆栽の魅力に迫る地元四国新聞の連載記事

黒松(1)魅力と特性 芽切り怠ると台無しに

2009年9月24日

 今回から松盆栽を取り上げ、黒松、五葉松、錦松、赤松の順にそれぞれの魅力や特徴、トレンド、今後の課題と展望などを栽培者に聞く。


神高恵二さんと自慢の黒松=高松市鬼無町、神高松寿園
神高恵二さんと自慢の黒松=高松市鬼無町、神高松寿園

堂々とした「王様」

 黒松は、太い幹と黒褐色の樹皮、堂々とした風格などから、盆栽の王様と呼ばれている。成長力が旺盛で育てやすいところから愛好者も多い。最近の盆栽展でも優秀作の大半を黒松が占めている。

 高松市鬼無町の神高松寿園4代目の神高恵二さん(48)も、「内陸部から山地に多い赤松に対して、黒松は人目につきやすい神社や景勝地、海岸線などどこにでもあり、日本の風景にふさわしい。鬼無でも一番多い樹種だろう」と語る。

 神高さんは、黒松の魅力の最たるものは幹肌の割れ方だという。100年もの、200年ものになると、10センチ以上の幅で割れるものもある。亀の甲羅のような模様の入ったものまである。枝先の姿は人の手である程度細工できるが、幹の姿かたちや割れ具合は、その木の持ち味に左右され、人の手は及ばない。それだけに、栽培者にとってもどんな木に育つか未知数な部分が多いのも魅力だ。


見事に割れた幹肌と根張り
見事に割れた幹肌と根張り

流行にも時代のすう勢

 樹齢200年以上の木も珍しくない黒松にも、時代時代ではやりすたりがあった。これまで、根上がり、懸崖、直幹などがもてはやされた時代があったが、神高さんは「最後は模様木に戻るだろう」と読んでいる。

 現在は、樹高45センチ前後の中型か小品が重宝されているが、これは庭の広さや生活様式の変化に左右されるものと思われる。

年間の手入れ

 黒松の手入れは、主として3つのポイントがある。美しい形を守るために、6月20日ごろからの芽切りは欠かせない。これを怠ると、整った木の姿が台無しになる。そして、秋からは古い葉のもみ落としが始まる。込み合った葉をピンセットで抜く葉すかしや、3、4年に1度、植え替えをして根を切り詰めるのも大切な仕事だ。

 (ライター・羽野茂雄)
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